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村上チルドレン

今日は家族の定期検診で、市民病院に行きました。
そこは街の中心部にある病院で、真下オフをしたパセーラ(ビルの名前)のすぐ近くです。
緊急operationがあったらしく、予約したのに診察が二時間待ち。
その間、持参した『海辺のカフカ』上巻を半分読んでしまった。
文字を追っている時のえも云われぬ気持ち良さをどう説明すればいいだろう。まさに至福の時である。


村上春樹を長い間読んできた人にはおそらくわかってもらえると思うのだが、私の脳内には『村上スウィート』ともいうべき部屋があって、そこで彼の作品をせっせと蓄積し整理し分析している。
もし今の自分が現代日本文学専攻の学生だったなら、きっと卒論のテーマに彼を選んだことだろう。
読み込み、傾倒し、文体や音楽やいろんな面で影響を受けているのは、相方も同じである。
私が読み始めたのはまだ10代の後半だったので、多分中学時代から読み始めた光の方がもっとダイレクトに影響されているかもしれない。
彼の文学に影響された新進作家たちを『村上チルドレン』と呼ぶことを、『象の消滅』を読んで初めて知った。
同人といういわばアンダーグラウンドの世界で、小説の真似事をしている私たち二人もある意味ではそうなのかもしれない。
かなり乱暴な解釈であるが。(乱暴すぎです)

さて、これほど人気のある現代作家なのに、これほど映像化の難しい作家もいないのではないか。
決して難解な文章ではなく、極めて読みやすいのにもかかわらず、根底に流れているものは時に観念的でもある。
読む人間によって色んな読み方が出来るのも映像化しにくい一因だろうし、作品を大きく支配している会話の解釈も脚色するとなると非常に難しい。
処女作『風の歌を聴け』はたしか永島敏行主演で映画化されたと記憶しているが、他に長編が映画化されたことはないと思う。
ただ、いくつかの短編だけは映像化の試みがされているらしく、昨年公開された『トニー滝谷』は評判もまあまあだった。
上映中に観たいと願っていたのだが、何しろ『サロンシネマ』という市内で最も外れの単館上映だったため果たせなかった。
イッセー尾形と宮沢りえの取り合わせはちょっと興味があったのに残念。スクリーンで見たかった。

この話を始めるときりがないので、今日はこの辺にしておきます。
カテゴリー作っちゃお。

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